※こちらは終了しました
東京都指定有形文化財「雅叙園百段階段」にて
新作[ おんせんにんぎょ -温泉人魚絵図 – ]を
鏑木清方氏の肉筆天井壁画のお部屋
“清方の間”にてお披露目致しました
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おんせんにんぎょ
むちゅうになる時間と
ゆだった感じはどこかにてる
あたま ぼーっとして なお
きもちいい時だから できること
ゆったりつかって 描いて
ゆったりしすぎて 鱗ぴんく
おんせんで温染します
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金箔を湯にみたて鱗も頬も桃と染まるおんせんにんぎょ達の悦宴
敬愛する日本画家
鏑木清方/作「妖魚」へのオマージュをこめ描きおろした人魚絵図。
初の挑戦となる金屏風へ表現しました。
こちらの作品は販売しております
ご希望の方はsaorianan@gmail.comまでご連絡ください
【 Interview about new work 】
▶︎Title
おんせんにんぎょ- 温泉人魚絵図
Onsen Ningyo – Hotspring mermaid –
▶︎About
SAORI KANDA,2020
171cm×176cm
Gold leaf/mixed media
金箔張り屏風
▶︎price
1,000,000JPY(without tax)
▶︎Concept
鏑木清方/作「妖魚」へのオマージュをこめ描きおろした人魚絵図
▶︎アイデアについて
それはいつどのように思い付いたか
18年ほど前、温泉に入っている最中
お湯にゆだる人魚の物語がふいに降りてきて
” おんせんにんぎょ “という物語を温めはじめました。
今回、目黒雅叙園百段階段の[清方の間]にて展示が出来る事となり
鏑木清方氏の作品[妖魚]へのオマージュをこめて金屏風におんせんにんぎょの物語を描きたいと思いました。
▶︎作品の色について
なぜその色か
金屏風の金箔を温泉のお湯に見立て
その中を回遊する”おんせんにんぎょ”たちが
すっかりお湯に蕩けて鱗も頬も桃色に上気している様を表現しています。
▶︎作品に使用している材料、道具、素材、メーカーなど
金屏風は日本画画家の方から譲りうけたものです。
その上にGOLDEN Acrylic paintをメインに使用して描画しています。
▶︎その材料、道具を選んだ理由
GOLDEN Acrylic はアクリル絵の具の中でも特に優れた耐久性、柔軟性をもち、繊細緻密な描画の細やかさに対応するので好んで使用しています
また、髪の毛のゆらぎを繊細に表現できるよう様々な筆を併用して描画しています
▶︎制作を始める前の準備は何か
制作スタート前にまず
アイデアに入り込める音楽を聴き込み
深く世界観に没入することを何より大切にしています。
今回は、極悦Ambient Chillな方向の選曲をし世界観に入りこみました。
また、お湯にゆだる感覚を得るため
温泉を戴きに各地へ取材に参りました。
ぼんやり感覚を掴めてきたところで
温泉をのびのびと気持ち良さそうに回遊する
おんせんにんぎょ達の姿をスケッチブックに
満足するまでイメージスケッチするところから始めました。
▶︎その作品はどのような手順で制作したか
イメージスケッチで手が慣れてきたところで
金屏風に直接筆で、人魚を一人一人描き入れていきました。
特に下書きはせず、身体と身体の配置のきもちよさを意識して直接描き進めました。
輪郭が仕上がったところで
肌の塗り込み作業を丁寧に重ねて
桃色に上気した人魚の肌作りを行い
最後に表情の描き込みや、お湯にゆらぐ髪の毛や尾ひれが花と咲く様子、花びら鱗など細部を仕上げて行きました。
▶︎制作にかかる時間
今回は取材•構想含め約2ヶ月ほどかかりました。実制作期間は3週間程です
▶︎作品の完成をどのように見極めるか
今回に関しては
細部の描き込みと仕上げが済んだところで
全体像を暫し客観的に観察し、気になる箇所があればまた手を加えて調整しました。
納得がいくまで向き合い完成を迎えました。
▶︎作品制作時に頭に浮かんでいること
今回は、お湯にうっとりしている感覚に
ずっと浸り込み、私自身がおんせんにんぎょでした。
音楽の力の影響は大きいです。
▶︎制作工程で得意な作業、好きな作業は何か
小筆で線を引いて自由に形を描き出してゆくのはとてもわくわくします。
▶︎制作工程で苦手な作業、嫌いな作業は何か
ムラなく面塗りするなど作業的な箇所は
あまりわくわくしないので根気との勝負という感じです。
▶︎その制作工程でこだわっていることは何か
イメージするような気持ちの良い流れが
描画においても、構図においても
実現できているかどうか。
絵が堅苦しく止まったものになっていないか
流れを大切にしています。
▶︎作品の何処を注目して観てもらいたいか
鏑木清方氏の描きあげた空間の中に
展示させていただくことは非常に貴重な機会です。
空間に満ち満ちる妖艶な気配の最中
おんせんにんぎょ達の蕩ける様子と
むせかえるような湯けむりを感じていただけたら幸いです。